人間拡張工学の最先端
- 期日
- 2017年11月9日(木)10:00~17:00
- 会場
- 京都テルサ 東館3階D会議室(京都市南区東九条下殿田町70番地(新町通九条下ル))
概要
主催
一般社団法人システム制御情報学会
協賛(依頼中含む)
- IEEE Control Systems Society Kansai Chapter
- 日本ロボット学会
- 電子情報通信学会
- 計測自動制御学会
- 人工知能学会
- 日本知能情報ファジイ学会
- 日本感性工学会
- 日本人間工学会
- 日本認知科学会
- ヒューマンインタフェース学会
- 日本シミュレーション学会
- 日本バーチャルリアリティ学会
- IEEE Kansai Section
趣旨
ごく普通の人間が、パワードスーツに身を包み、超人的な身のこなしで活躍する映画やアニメを誰しも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。近年の技術の進歩により、こうした技術はもはやファンタジーではなく、身近で現実のものとなりつつあります。「人間拡張工学」では、人間の限界を超える機能、例えば走力や跳躍力など、あるいは視覚や聴覚などを様々な学問や技術をもちいて拡張することを目指しています。また、人間拡張工学にかぎらず、我々人間を対象としたシステム/制御/情報工学も近年めざましい発展を遂げています。
そこで本セミナーでは、人間にまつわるシステム/制御/情報をテーマとして、人間拡張工学を始めとした種々の研究領域で活躍されている研究者にご講演いただくこととしました。具体的には、人間拡張工学の現状・将来展望、力覚・触覚のアシストによる身体能力向上とスポーツ・フィットネス支援、拡張現実感による視覚拡張、および、子どもに対する歩行補助を目的とした歩行支援機器の実際例についてご講演いただきます。
定員
60名
聴講料
- 会員(協賛学協会会員・事業維持会員を含む)
- 12,000円
- 非会員
- 18,000円
- 学生(高校生以下もご参加いただけます。お申し込み時に備考欄でその旨お伝えください。)
- 3,000円
申し込み
申込締切
2017年10月12日(木) 2017年10月31日(火) 2017年11月6日(月)
申込方法
申込フォームからお申し込みください。
問い合わせ先
京都大学 木村 真之
電話: 075-383-2204 電子メール:
講義概要
自在化身体: 身体の未来を展望する
講師
東京大学 稲見 昌彦 氏
概要
農業革命、工業革命など社会構造革命は身体観の革新を伴ってきました。情報革命を、実社会に対するバーチャル社会の確立と捉えるなら、我々はその社会構造変化に自由自在に適応可能な新たな身体像「自在化身体」を設計し、身体観を更新する必要があります。本講演ではそのためのキーテクノロジ、身体性を編集可能とする技術について議論します。
力覚/触覚パワードスーツによる人の感覚運動機能の拡張とスポーツへの展開
講師
広島大学 栗田 雄一 氏
概要
ソフトアクチュエータの一種である空気圧ゴム人工筋による力覚のアシストや、振動デバイスによる触覚のアシストにより、人の感覚運動機能を向上させる一連の研究をご紹介いたします。適切な筋負担軽減や微少な振動刺激は、人の力知覚および触知覚感度を向上させることが知られています。そこで私たちは、姿勢保持のために必要な筋負担を減少するスーツや、皮膚へ振動刺激を付与するグローブの開発を通じて、人の手先力調整機能の向上に取り組んでいます。また、低圧域での駆動性が良い人工筋を利用することで、コンパクトな構成でまるで筋肉を着るような感覚で着用できる運動支援スーツの開発もすすめており、これをウォーキングやテニスなどのスポーツ&フィットネス支援に展開している事例についてもご紹介いたします。
共生社会に資するパーソナライズドリアリティのための視覚拡張技術
講師
奈良先端科学技術大学院大学 清川 清 氏
概要
私たちは、眩しければサングラスをかけ、聞こえにくければ補聴器をつけるように、現実世界の見え方や聞こえ方、感じ方を調整することで日々の生活を快適にしています。私たちの研究室では、情報技術を用いて遥かに自由自在に現実感を操作することで、ひとりひとりのTPOに適した「パーソナライズドリアリティ」を提供し、誰もがより便利に、より快適に、あるいはより安心して生活できる共生社会を実現したいと考えています。その一環として、視覚機能を自由自在に再設計するための高度なヘッドマウントディスプレイや、そうしたヘッドマウントディスプレイを通じて実現される高度な視覚拡張技術の実現に取り組んでいます。本発表では、パーソナライズドリアリティのコンセプトやヘッドマウントディスプレイ、視覚拡張技術に関する一連の研究をご紹介します。
早期移動体験によってハンディキャップのある子ども達の心,知,体を育む移動支援機器
講師
滋賀県立大学 安田 寿彦 氏
概要
人は幼児期に運動機能を発達させてひとやものと係り、様々な能力を発達させる。しかし、自力移動が困難な子どもは、幼少期の発達の機会を制限される。また、自分で周囲に働きかけようとしても、体が思うように動かず失敗することが続くと、自信を失い主体的に事物に働きかけることをあきらめ無気力になることもある。私達は、電動移動支援機器によって1歳くらいからの自力移動を支援してきた。この中から生まれた移動支援機器や操作インタフェースなどについて、子ども達のエピソードを交えて紹介する。辛い訓練は幼い子ども達には通用しない。社会参加しつつ楽しく行う“ハビリテーション”が重要で、そのために工学的支援が不可欠である。